「プロのカメラマンって、撮影のときに何を考えているんだろう?」
「失敗しながらでもカメラマンとして成長できる?初心者が最初に持つべき心がまえは?」
こうした疑問を持っているあなたに向けて、この記事では起業家・経営者専門の写真家・真岡そらさんが8年間で培ってきた撮影哲学と、赤裸々な失敗談・初心者へのメッセージをインタビューをもとにお届けします。
この記事でわかること:
- 真岡さんが撮影で最も大切にしている価値観とその理由
- 8年間で経験した「過去最大の失敗」とそこから得た教訓
- これからカメラマンを目指す方への具体的なアドバイス
- 過去の自分に伝えたいこと
- 今後の目標——技術・趣味・収入のバランスをどう考えているか
真岡さんは現在、起業家・経営者向けブランディングフォトを軸に、月3〜4件・単価17万円〜という安定した受注を実現しています。
その根っこには、技術でもスキルでもなく、「全集中でその人を愛する」という一つの価値観がありました。
そしてその価値観は、ある失敗から学んだ痛い経験の上に立っています。
✅ この記事の結論(先にお伝えします)
- 撮影で最も大切なことは「全集中でその人を愛すること」。技術より先に、相手への関心と愛情があります。
- 最大の失敗は「しがらみで引き受けた披露宴撮影を、後でお断りしたこと」。自分のキャパを正直に見極めることの大切さを痛感しました。
- 初心者へのアドバイスは「まず専門性を一つ決めること」。何でも撮るより、情熱をかけられる1ジャンルに特化する方が早く成長できます。
- 今後の目標は「技術・趣味・収入のバランス」。自分を大切にしながらお客様を大切にする生き方を目指しています。
真岡そらさんのプロフィール
真岡そらさんは、起業家・経営者専門の写真家として活動するフリーカメラマンです。
40代での人生の転機をきっかけに起業し、現在は「あなたのストーリーや想いを撮影する」をコンセプトに活動しています。
起業歴は約8年。カメラ歴は50年以上。
| 名前 | 真岡 そら(まおか そら) |
|---|---|
| 活動拠点 | 東京都(オンライン対応あり) |
| 起業歴 | 約8年 |
| 主な撮影ジャンル | 起業家・経営者ブランディングフォト、婚活フォト、家族写真、七五三・成人式、イベント・周年記念 |
| メイン撮影単価 | 17万円〜(フルオプション時20〜25万円) |
| 受賞歴 | Instagram「あじさいまつり」優秀賞(2022年)/新印展 優秀文化賞(東京都美術館・2024年) |
撮影で最も大切にしていること|「全集中でその人を愛する」という一つの軸
プロのカメラマンとして長く活動し続けるには、技術の向上だけでは不十分です。
「どんな姿勢でクライアントに向き合うか」——その価値観こそが、長期的に選ばれ続けるカメラマンと、そうでないカメラマンを分ける分岐点になります。
真岡さんに「撮影で最も大切にしていることは何か」と尋ねると、迷いなく答えが返ってきました。
鈴木:
撮影で大切にしていること、最も大切な価値観を教えてください。真岡そらさん:
まず全面的にその人を愛するっていうことですね。もう周りからどんなに批判されている人でも、私はご依頼いただいたら撮影するっていうふうに決めたら、撮影の時間は愛しか届けないっていうふうに決めてますね。
この方が発展するためには、どんな表情で、どんなところで、どういう写真を撮ればいいのか、もうそれに尽きますね。全集中でその人を愛するということ。それが私の大事にしていることです。
「愛しか届けない」——この言葉は、パフォーマンスでも建前でもありません。
真岡さんは撮影中、「笑ってください」と言ったことが一度もありません。
全力でその人に向き合うことで、自然と表情が生まれてくるからです。
「周りから批判されている人でも撮る」という覚悟
真岡さんの価値観で特に印象的なのが、「周りからどんなに批判されている人でも撮る」という一言です。
これは単なる博愛主義ではありません。
撮影を引き受けた以上、撮影の時間はその人の発展だけを考える——そういうプロとしての覚悟と集中力の表れです。
外部の評価や先入観をいったん脇に置き、目の前の人だけを見る。
それが真岡さんの撮影の根幹にある姿勢です。
✅ ポイント:「写真を上手く撮ること」と「クライアントに愛を届けること」は別のスキルです。
技術は練習で磨けますが、相手への純粋な関心と愛情は、意識して育てていかなければ身につきません。
「この撮影時間中だけは、この人のことだけを考える」という集中力が、プロとしての仕上がりの差を生みます。
💡 今すぐできるアクション
次の撮影前に「この方のために、この撮影で何を届けたいか」を1文だけ書いてみましょう。
その1文を持って撮影に臨むだけで、クライアントへの向き合い方が変わります。
過去最大の失敗談|「しがらみで引き受けた披露宴撮影」が教えてくれたこと
「真岡さんほど活躍しているカメラマンでも、失敗することがあるんですか?」
そう問いかけると、真岡さんは少し苦笑いしながら話してくれました。
それは、披露宴の撮影を巡るエピソードです。
断れなくて「なんとかなるだろう」と引き受けた
鈴木:
過去最大の失敗談を教えてください。真岡そらさん:
「披露宴の撮影お願いします」って言われて、目上の方だったし、しがらみというかね、断りきれなくて、「ああ、じゃあいいですよ」って受けちゃったんですよ。「なんとかなるだろう」と思って。
目上の方から頼まれると、断りにくいのは誰もが経験することです。
「なんとかなるだろう」という気持ちで引き受ける——これは、起業初期の多くのカメラマンがやってしまいがちなことでもあります。
プログラムを見て気づいた「これは無理だ」
真岡そらさん:
会場とかも見たんですけど、プログラムを見ると、これ4時間ぐらい披露宴やってて、照明もコロコロ変わるし、天井も高いし、えーんってなって。
これは2人でやればなんとかなるかもしれないけど、「1人しか予算ありません」って言われたんで、これはもう無理だなと思って、引き受けてから後でお断りしちゃったんですよね。
引き受けてから断る——これは、相手に大きな迷惑をかける行為です。
案の定、相手はとても怒りました。
真岡そらさん:
そしたらめちゃめちゃ怒られまして。「できるって言ってたからそれで進めてたのに」とか言われて。「いや本当にごめんなさい」って言って平謝りしたっていう。それはね、本当に申し訳なかったなと思います。
急遽探さなくちゃいけなくなっちゃって、相手の方は。だから自分のキャパをちゃんと見極めて、最初から断ればよかったなって、しがらみなんかで受けちゃいけないなって思いました。
この失敗から学んだ「3つの教訓」
このエピソードからは、カメラマンとして活動する上で大切な教訓が3つ読み取れます。
- 「しがらみ」で受けてはいけない——断れない空気があっても、自分のキャパを超える仕事は最初から断ることが、相手へのほんとうの誠実さです
- 引き受けた後で断る方が、最初から断るより迷惑をかける——「とりあえず受けてから考える」は、一生に一度の大事な場面では取り返しがつきません
- 「なんとかなるだろう」は禁物——撮影前の下調べと、自分のスキル・機材の把握は徹底して行うことが、プロとしての責任です
✅ ポイント:失敗談を率直に話してくれる真岡さんの姿勢そのものが、プロとしての誠実さを物語っています。
完璧な人間は存在しません。大切なのは、失敗から何を学び、次にどう活かすかです。
「断る勇気」を持つことが、長く続けられるカメラマン人生を作ります。
💡 今すぐできるアクション
依頼を受ける前に「会場の規模・照明環境・撮影時間・サポート人数」を確認する習慣をつけましょう。
「受けてから考える」ではなく、「情報を集めてから判断する」を徹底することが、プロとしての信頼につながります。
初心者へのアドバイス|「写真家 = 何でも撮れる人」ではない。専門性が選ばれる理由になる
「これからカメラマンを目指す方に、一番伝えたいことは何ですか?」
この問いに対して、真岡さんは独特の例えで答えてくれました。
鈴木:
カメラ撮影をちょっと仕事にしていきたいけど、なかなか一歩踏み出せていない方にアドバイスするとしたら?真岡そらさん:
写真家というと、何でも写真を撮る人って思われがちなので、そこは自分が何を中心に撮る人なのかっていうことをきちっと発信するっていうことが大事だと思います。
私、写真ってお医者さんみたいなもんだと思ってて、耳鼻科の人が心臓を治せないのと同じように、人物専門の人が食品のシズル感を出すのはまた別のスキルが必要なんです。
「耳鼻科の医師が心臓を治せない」——専門性の本質
この例えは非常にわかりやすいものです。
お医者さんには「何科」という専門があります。
耳鼻科の医師がどんなに優秀でも、心臓外科の手術はできません。
カメラマンも同じです。
人物撮影が得意なカメラマンと、フード撮影が得意なカメラマンでは、必要なスキルも機材も、現場での動き方もまったく異なります。
真岡そらさん:
自分が情熱をかけているものに特化して、私はいいと思ってるんですね。自分は何に情熱をかけているものなのか——人なのか、建物なのか、食品なのか、スピード感あるレースみたいなのを取るのか。
それを見極めてから多岐に少しわたって仕事の幅を広げるっていう風にした方が技術が研がれるし、その方がお客様も依頼しやすい。で、自分も幸せな働き方ができるんじゃないかなっていう風に思います。
専門性を決めることの「3つのメリット」
「1ジャンルに特化する」ことには、明確なメリットがあります。
- 技術が早く研がれる——同じシチュエーションを繰り返すことで、撮影精度と判断スピードが格段に上がります
- 依頼されやすくなる——「この撮影ならあの人」というポジションを作れると、競争なしに指名で仕事が来るようになります
- 自分が幸せに働ける——好きなジャンル・得意なジャンルに集中できるので、撮影へのモチベーションが維持できます
✅ ポイント:「何でも撮れます」というアピールは、逆効果になることがあります。
クライアントから見ると、「この人は何が専門なんだろう?」と思われてしまうからです。
「私は○○専門です」と言えるカメラマンの方が、迷わず依頼される——真岡さんの言葉はそのことをシンプルに教えてくれています。
💡 今すぐできるアクション
「自分が最も情熱をかけられる撮影ジャンル」を今すぐ1つ決めてみましょう。
SNSのプロフィール欄に「○○専門のカメラマンです」と書くだけで、見込みクライアントへの伝わり方が大きく変わります。
📎 撮影ジャンルの見つけ方と、真岡さんが手がけるジャンルの全体像はこちら →
過去の自分へのアドバイス|「何でも受けようとした自分に、もっと早く気づけばよかった」
「過去の自分に一言伝えるとしたら、何を伝えますか?」
真岡さんは少し間を置いてから、こう答えました。
鈴木:
過去の自分に何かアドバイスするとしたら、どんなことをアドバイスしますか?真岡そらさん:
過去の自分に、よく頑張ったよねってねぎらいながらも……そうだな。自分が何をどういうものを撮りたいのかっていうことをもうちょっと明確にすればよかったなって。それは思いますね。
最初は仕事来ると何でも嬉しいじゃないですか。だからやろう、やろうとしてしまっていて、自分にものすごいストレスもあったので、そこはあの、もうちょっと自分中心に考えてもいいんじゃないかなって。
「仕事が来るだけで嬉しい」という感覚は、起業したばかりの頃には誰もが経験するものです。
どんな依頼でも「受けたい」「断ったらもう来ないかもしれない」という不安が先に立って、自分のキャパや得意不得意を無視して受け続けてしまう。
その結果、真岡さんは「ものすごいストレス」を抱えた時期があったと言います。
「自分中心に考える」とは、わがままになることではない
「自分中心に考える」という言葉は、一見するとわがままに聞こえるかもしれません。
しかし真岡さんの文脈では、まったく違う意味を持っています。
自分が幸せでなければ、クライアントに愛を届けることはできない。
自分が得意でない撮影を無理して受ければ、クオリティが下がり、クライアントも幸せにならない。
「自分中心に考える」とは、自分を大切にすることで、クライアントをより深く大切にできるという循環の話です。
✅ ポイント:カメラマンとして長く活動するためには、「持続可能な働き方」を意識することが大切です。
「断れない」「なんでも受けてしまう」という状態は、最初は仕事が増えたように見えても、消耗が蓄積してやがて続けられなくなります。
「自分が幸せに働ける仕事を選ぶ」という視点が、長期的な活躍につながります。
💡 今すぐできるアクション
「受けると自分がワクワクする仕事」と「受けると少しモヤモヤする仕事」を書き出してみましょう。
そのモヤモヤの正体を言語化することが、「やらない仕事の基準」を作る第一歩になります。
今後の目標|技術・趣味・収入——すべてのバランスを大切にする生き方
「これからどんなカメラマンを目指していきたいですか?」
真岡さんの答えは、多くのカメラマンが思い描くような「もっと大きな仕事を」「もっと有名になりたい」というものではありませんでした。
鈴木:
今後の目標を教えてください。真岡そらさん:
今のままでもいいかなっていうのはあるんですけれども、さらにさらに、もちろんカメラの写真の技術を上げていきたいというのもありますし、自分の大事にしたい趣味をやる時間、そういうのも大事にしながら、安定した収入を目指す生活。そんなものをね、目標にしています。
「今のままでもいい」という言葉は、現状に満足している受動的な姿勢ではありません。
8年間積み上げてきた仕事・関係性・価値観——そこへの深い満足と自信の表れです。
「自分を大切にしながら、お客様を大切にする」という在り方
真岡さんの目標には、3つの要素が含まれています。
- 技術の向上——「さらにさらに上げていきたい」。現状に甘えず、常に成長を追い求める姿勢
- 趣味の時間——自分自身を豊かにする時間を守ること。それが撮影への感性にも還元される
- 安定した収入と生活——爆発的な成長より、長く続けられる安定を大切にする
この3つのバランスを保つこと——それが真岡さんにとっての「理想のカメラマン像」です。
✅ ポイント:カメラマンとしての目標を設定するとき、「売上を○倍にする」「件数を○件にする」という数字だけを追いかけるのは、必ずしも正解ではありません。
「自分が幸せに働ける状態」を目標に含めることで、長期的に続けられる仕事スタイルが作られます。
真岡さんの「技術・趣味・収入のバランス」という目標は、多くのフリーカメラマンにとっての参考になる考え方です。
真岡さんのマインドから学べる3つの考え方|カメラマンとして長く活躍するために
真岡さんのインタビューをもとに、カメラマンとして長期的に活躍するためのマインドセットを3つ整理します。
考え方①|「技術より先に、愛を届ける姿勢を持つ」
撮影技術は練習で磨けます。
しかし「全集中でその人を愛する」という姿勢は、意識しなければ身につきません。
技術が同程度のカメラマンが2人いたとき、クライアントが選ぶのは「この人に撮ってもらいたい」と感じさせる方です。
その感覚は、相手への真摯な関心と愛情から生まれます。
💡 今すぐできるアクション
撮影前に「このクライアントの強み・魅力・伝えたいこと」を3つ書き出す習慣をつけましょう。
その準備が、撮影中の声かけと表情の引き出し方を変えます。
考え方②|「しがらみで受けない。断る勇気が信頼を守る」
断れない空気・目上の人からの依頼・「なんとかなるだろう」という楽観——これらは、失敗のリスクを高めます。
「できない仕事を最初から断ること」は、冷たい拒絶ではありません。
相手の大切な時間・お金・一生に一度の場面を守るための、誠実な行動です。
断ることができるカメラマンは、引き受けた仕事への責任感が高いとも言えます。
💡 今すぐできるアクション
「引き受けられる仕事の条件」を事前にリスト化しておきましょう。
(例:屋外ポートレートならOK、4時間以上の会場ストロボ撮影は1人では対応不可、など)
基準を持っておくことで、依頼が来たときの判断が早くなります。
考え方③|「自分が幸せな仕事だけを受ける。それがクライアントへの最大の誠実さ」
自分が消耗しながらやる仕事では、クライアントに全力を注ぐことができません。
「自分中心に考える」ことは、ワがままではなく、「クライアントを幸せにするための条件」を整えることです。
真岡さんが8年間で辿り着いた「技術・趣味・収入のバランス」という目標は、自分を大切にしながら仕事をすることの大切さを示しています。
💡 今すぐできるアクション
「今の自分の仕事スタイルで、消耗していることは何か?」を1つ書き出してみましょう。
その1つを改善するだけで、撮影へのエネルギーと質が変わります。
📎 真岡さんのキャリアストーリーと、2つの壁の乗り越え方はこちら →
📎 この哲学が現れている撮影現場——印象的な撮影エピソードはこちら →
まとめ|長く活躍するカメラマンは、技術より先に「在り方」を磨いている
今回は、起業家専門カメラマン・真岡そらさんの撮影哲学・失敗談・初心者へのアドバイスをインタビューをもとにご紹介しました。
この記事の重要ポイントを振り返ります。
- 撮影で最も大切なのは「全集中でその人を愛すること」。技術より先に、相手への関心と愛情がある
- 最大の失敗は「しがらみで引き受けた披露宴撮影を後でお断りしたこと」。最初から断る勇気こそが誠実さ
- 初心者へのアドバイスは「まず専門ジャンルを1つ決めること」。何でも撮るより、特化した方が技術が研がれ、依頼もされやすくなる
- 過去の自分へのメッセージは「もっと早く自分中心に考えればよかった」。自分が幸せでなければ、クライアントも幸せにできない
- 今後の目標は「技術・趣味・収入のバランス」。数字だけを追わない、持続可能な働き方を目指している
真岡さんの言葉を借りるなら——
「全集中でその人を愛するということ。
撮影の時間は愛しか届けないと決めています。
それが私の大事にしていることです。」
技術の習得は、始めれば誰でも進めることができます。
しかし「在り方」は、意識しなければ育ちません。
「どんなカメラマンになりたいか」を問いながら撮り続けること——それが、長く選ばれるカメラマンへの道です。
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