プロカメラマンが大切にしていること|南絵里加さんが語る撮影コンセプト&初心者へのアドバイス

プロカメラマンって、現場で何を一番大事にしているのか?
失敗したことはあるのか。初心者にどんな言葉をかけるのか。

今回は、奈良のカメラマン・南絵里加さんに、撮影現場での価値観・カメラが壊れた大失敗・初心者へのアドバイス・過去の自分へのメッセージを、インタビューの言葉そのままにお届けします。

この記事でわかること

  • 南絵里加さんが撮影現場で一番大切にしていること
  • 看護師の経験がどう「武器」になっているか
  • 大阪万博後にカメラが壊れた失敗談(本番の半日前に動かなかった話)
  • カメラマンを目指す初心者へのアドバイス
  • 過去の自分に伝えたいこと、今感じていること

撮影で一番大事にしていること

「どんな価値観で撮っているか」を聞いたとき、南さんは技術の話をしませんでした。

🎙 対談パート①:撮影で大事にしていることについて

鈴木:撮影で大事にしていること、どんな価値観で撮っているか、どういう思いを大事にしているか、ぜひ教えていただければと思います。

「撮影って、ただ綺麗に撮るっていうのもすごく大事だとは思うんですけど、その人らしさが出るっていうのは、経営者の方にとっては本当に大事なことかなって思っていて。

同時に、安心して撮影に挑んでもらうことがすごく大事かなって思っていて。
撮影ってすごく緊張するものですし、大人ってカメラを向けた瞬間に緊張するんですよね。

その時の声かけだったり、空気感の作り方はすごく気をつけていて。
ちょっとでも緊張しちゃうと、それが写真に乗ってくるなって実感しているので、なるべくそうならないような雰囲気作りを心がけています」

南絵里加

「私の武器として、看護師だからこそできる寄り添う力だったりとか、傾聴力だったりとか、そこは本当にお客様には定評をいただいています」

南絵里加

鈴木:やっぱりお客様に寄り添って、撮影の時の場作りを大事にしているということですね。素晴らしい。

「緊張は写真に乗ってくる」という言葉が、すごく腑に落ちました。どれだけ技術があっても、お客様がカチカチの状態で撮った写真はどこかぎこちない。だから場作りが先で、シャッターを切る前から撮影はもう始まっています。

そしてその場作りの力の根っこにあるのが、看護師時代に培った傾聴力です。患者さんの緊張をほぐしてきた経験が、撮影現場でそのまま活きている。前職が武器になっている、というのはこういうことだと思います。

💡 「場作りが得意なカメラマン」は、技術だけでは生まれません。
自分の経験・前職から生まれる「人との関わり方」が、他のカメラマンには出せない空気を作ります。

失敗談。本番の半日前、カメラが動かなかった

インタビューでは「いい話ばかりが続いちゃったので」と前置きして、鈴木先生が失敗談を聞きました。

🎙 対談パート②:失敗談について

鈴木:ここまで結構いい話ばかり続いちゃったので、過去にこんな失敗があるのかなというところ、ぜひ教えていただければと思います。

「夏の撮影にはというところなんですけど。万博での撮影をさせていただいた時、本当に夏一番暑かった日の撮影で、カメラを1台しか持っていなかったんですけど、暑さ対策もしていたつもりで、その日1日稼働したんですよ。

まあそのあと特に問題なく使えていたから、次に先生に呼んでいただいた福島での撮影にそのカメラを持っていったら、本当に始まる半日前ぐらいにカメラが動かなかったというのは、本当に大失敗だなと思って。

前日は動いていたのに、その時になって動かなくなって。だからその時、事前のチェックはすごく大事だなって思ったし、その時先生がいてくれて本当に助かったなと思います」

南絵里加

鈴木:あれ、あの時って万博で動画で回していたんでしたっけ?

「いや、普通に写真を撮っていました。写真だけでした。
でも3,000枚とか撮っていたんで」

南絵里加

鈴木:3,000枚か。
ソニーのカメラでも2,000枚ぐらい撮ると結構熱くなるなという感じはあるんで。
夏で暑くて、枚数も多いとね。

「本当にもう、それが一日中外で撮っていたんで、カメラに無理をさせてしまったなと反省しました」

南絵里加

鈴木:修理に出した後は問題なく使えてますか?

「ずっと問題なく使えています」

南絵里加

鈴木:今年の夏はどうしますか。

「今年の夏はスタジオ撮影が増えそうなので、その辺はちょうど良さそうです」

南絵里加

鈴木:外で撮影するにしても、カメラが2台あれば交代で使えばだいぶ負担も減りますよね。
夏はスタジオで撮りたいというお客さんも多いでしょうし、カメラの負担も少なくてちょうどいいかもしれない。

そういう意味では、一番必要なタイミングで必要なことが起きたのかなという見方もできますよね。
自分のカメラを貸せる状況だったから良かったし、それで改めて2台体制の必要性を感じて動き始めて。

その後すぐ10月11月で家族撮影も増える時期だから、資金的にも貯めやすいタイミングが来てたのは良かったなと思います。

「前日は動いていたのに」という言葉に、現場の緊張感がにじんでいました。1台だけで一日中撮り続けた夏の外ロケ。熱でじわじわと傷んでいたカメラが、次の現場の半日前に静かに止まった。

その場に鈴木先生がいてくれたことで撮影は乗り切れましたが、もし1人だったらと思うとかなりヒヤッとする体験です。

📋 この失敗から生まれた3つの教訓

本番前日・当日の機材チェックは必ず行う
 「前日動いていた」は安心の根拠にならない。必ず当日確認する。

カメラは2台体制が基本
 1台が止まっても撮影を続けられる準備が、プロとしての最低限。

夏の屋外長時間撮影はカメラに無理をさせない
 暑さ+連続撮影は過熱のリスクがある。インターバルを入れるか、夏はスタジオを増やす。

💡 機材トラブルは「いつか起きること」として備えておく必要があります。本番前のチェックと2台体制は、プロとして守るべき習慣です。失敗から具体的な対策に変えることが、成長です。

📎 南さんが現在使っているカメラ・機材の詳細はこちら →

初心者へのアドバイス。「悩んでる暇があったら撮影に行け」

カメラマンを目指す初心者にどんなアドバイスをするか、鈴木先生が聞きました。

🎙 対談パート③:初心者へのアドバイスについて

鈴木:これからカメラでちょっと仕事していきたいなという人たちに、もしアドバイスするとしたらどんなアドバイスをしますか?

「難しいですけど、とにかくたくさん撮るっていうのは大事かなって思っていて。悩んでる暇があるんだったら撮影に行けって思います。時間がもったいないし、上手くなりたいし、お金を稼ぎたいと思うんだったら、やっぱり動かないとチャンスは巡ってこないと思いますし。

私も撮影しながら学んだことがすごくたくさんあったし、失敗から学ぶことも多かったので、たくさん撮ってください。

そしたらきっとチャンスも引き寄せられてくると思います。動いた人が勝てるんだろうなって思うので、いいチャンスだなと思ったご縁には飛びついていってもらったらいいのかなと思います」

南絵里加

「難しいですけど」と前置きして、でも出てきた言葉はシンプルでした。
悩んでいる時間は、撮影している時間より価値がない。それが南さんの経験から来ている言葉だと思います。

南さん自身も、妹から「下手くそ」と言われた状態のまま人物撮影を始めて、モデルスカウトを重ねながら技術を体で覚えていった。
自信がついてから動いたんじゃなくて、動いた後に自信がついた。

💡 「もう少し上手くなってから」は永遠に来ません。自信は動いた後についてくるものです。
まず1件、まず1人——そこから始めてみてください。

過去の自分へ。「もっと自分の価値を信じてよかった」

過去の自分を振り返って、褒めてあげたいことやアドバイスがあれば——という問いに、南さんは少し間があってから答えました。

🎙 対談パート④:過去の自分へのアドバイスについて

鈴木:過去の自分を振り返って、これはよくやったみたいなことや、アドバイスがあればぜひ教えていただければと思います。

「過去の自分を振り返ると、自分の直感を信じてよかったなって思っています。

鈴木先生と出会ったことが、本当に一番よかったことだと思っていて。
先生と出会えなかったら、きっとカメラマンの道には進んでいなかったと思うし、やってみようとも思わなかったと思うので。

その頃悩んでいた自分がいろんなところに動いて、いろんなことにチャレンジしてみて、でもその中で出会えた先生にいろんなことを教わって今があると思っているので。

本当に、鈴木先生を選んだって思っています」

南絵里加

鈴木:えー、嬉しい。それは過去の自分に対して褒めてあげたいということですね。
なにかアドバイスはありますか?

「アドバイスだったら、本当に自分の価値をもうちょっと信じてもよかった。
やっぱり不安になりすぎていて。

始めた頃ってすごく不安だし、自信もないし。
でも周りの人って、思ったよりちゃんと見てくれているし、ちゃんと私の価値もわかってくれているんだよって思いますね。

だからもっと自信を持ったらいいし、価値を信じたらいいよって思います」

南絵里加

鈴木:それで言うと、自分も南さんと出会った頃、南さんの先の可能性を最も自分が信じていろいろお伝えしていたという自負はあるので。
自分の可能性を信じてくれる人が周りに増えれば増えるほど、自分の自信もついていくと思うんで。

そういう人たちにどれだけ囲まれるかっていうのはちょっと大きいかなと思います。

「鈴木先生を選んだ」という言い方が、印象に残りました。
先生に選ばれたじゃなくて、自分が選んだという主体性。
悩みながらも動き続けた過去の自分を、ちゃんと認めている。

そして「自分の価値をもうちょっと信じてよかった」という言葉は、今まさに不安の中にいる人に向けて語りかけているような気がしました。
周りはちゃんと見ている。それは、動いた人にしかわからないことです。

💡 自信がない状態でスタートするのは、南さんも同じでした。
自信は先にあるものじゃなくて、動いた後についてくるものです。

そして、自分の可能性を信じてくれる人の近くにいることが、その自信を育てていきます。

まとめ

南絵里加さんの話を聞いていて、「すごい人だな」という感覚よりも、「こういう人が続けていけるんだな」という感覚の方が強く残りました。

緊張を写真に乗せないために場を作る。
カメラが壊れた失敗から2台体制に変える。

悩む時間を撮影する時間に変える。
過去の自分を批判するんじゃなく、動き続けたことを認める。

派手さはないけど、一つ一つが地に足のついた話でした。

この記事のまとめ

  • 撮影で一番大切にしているのは「場作り」。緊張は写真にそのまま乗ってくる
  • 看護師ゆずりの傾聴力・寄り添い力が、撮影現場での最大の武器になっている
  • 大阪万博で3,000枚撮影した後、次の現場の半日前にカメラが動かなくなった
  • 失敗から学んだのは「本番前の機材チェック」と「2台体制の必要性」
  • 初心者へのアドバイスは「悩んでる暇があったら撮影に行け」。動いた人だけにチャンスが来る
  • 過去の自分には「もっと自分の価値を信じてよかった」と伝えたい

📎 南さんが使っている機材(Canon R6 Mark2・100mmマクロ)の詳細はこちら →

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この記事を書いた人

株式会社マイルストーンムービー:代表取締役 鈴木賢一朗
〇企業向け動画制作&写真撮影
〇短期大学(テクノアカデミー会津)の講師
〇カメラマン育成講座(アニバーサリーフォトグラファー養成講座)主催

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