ブランディングフォトグラファーが手がける撮影ジャンルとは?梅澤さんの仕事内容と忘れられない2つの撮影エピソード

「どの撮影ジャンルで仕事をすればいいのか?」

カメラマンとして活動を始めようとしたとき、最初に迷うのがこの問いです。

本記事では、東京を拠点にブランディングフォトグラファーとして活躍する梅澤さんが現在どんなジャンルを手がけているか、そしてなぜそのジャンルに辿り着いたのかを、インタビューをもとに詳しく解説します。

また、梅澤さんが今でも忘れられないと語る2つの撮影エピソードも紹介します。
撮影ジャンルの選び方で迷っている方、カメラマンという仕事の「深さ」を知りたい方の参考になれば幸いです。

📌 この記事でわかること

  • 梅澤さんが現在手がけている撮影ジャンルの一覧
  • 「ブランディングフォトグラファー」とは何をする仕事か
  • お宮参りからブランディングフォトへと辿り着くまでの変遷
  • 今でも忘れられない2つの感動的な撮影エピソード
  • 撮影ジャンルの選び方で大事な考え方

結論|ジャンル選びは「ターゲットとの掛け合わせ」で決まる

まず結論からお伝えします。

梅澤さんが現在手がけている撮影ジャンルは以下の通りです。

撮影ジャンル 比重 ターゲット・特徴
ブランディングプロフィール撮影 ◎ メイン(売上の約70%) 経営者・個人事業主向け。撮影+使い方コンサルまでセット
ウェディング撮影 ○ 第2の柱(売上の約20%) 新郎新婦・ご家族。作例ゼロから能動的に切り拓いた実績ジャンル
フード・物撮り △ 過去に経験・現在は補助的 法人案件など。人物ライティングの応用として経験を積んだ
動画・下請け △ サブ(売上の約10%) 法人案件・外注受けなど

ジャンルの変遷を振り返ると、お宮参り・七五三からスタートし、ウェディング・フード・物撮りを経て、今の経営者向けブランディングフォトへと辿り着いたことがわかります。

偶然ではなく、各段階での「作例づくり×発信×ターゲット設定」という意図的な戦略の積み重ねが、今のジャンル構成を作っています。

① ブランディングプロフィール撮影|「写真を撮ること」が当たり前の前提になっている仕事

梅澤さんが現在最も力を入れているのが、経営者・個人事業主向けのブランディングプロフィール撮影です。

ただし、このジャンルは一般的な「プロフィール写真を撮る仕事」とは少し異なります。

梅澤さん:

写真を撮るのは当たり前の前提として、どちらかというと経営者さんをターゲットにして、その方たちのビジュアル面——ウェブサイトやLPとかに使われる画像をどういう風にやれば売り上げ上げれるかみたいなところを一緒に考えて、撮影の方もやらせていただいて、なおかつその写真の使い方のコンサルとかもさせていただいているというのが、今の僕の仕事内容になります。

撮影の流れはこうなっています。

  1. ヒアリング:クライアントのビジネスステージ・ターゲット・伝えたいイメージを深掘りする
  2. 撮影:スタジオでプロのライティングを使い、格のある写真を制作
  3. 使い方コンサル:撮影した写真をウェブサイト・LP・SNSでどう活用するかを提案

「撮って納品」で終わらない、ビジネス視点のトータルサポートが梅澤さんの差別化ポイントです。

ポイント:プロフィール撮影は、ビジネスをしている人なら誰にでも定期的に更新ニーズが生まれるジャンルです。
さらに「使い方の提案」まで価値として提供できれば、単なる撮影業ではなくビジネスパートナーとしての立場で依頼を受けられます。

💡 学べるポイント

  • 経営者向けプロフィール撮影は定期更新ニーズがあり、継続依頼につながりやすい
  • 「撮影+コンサル」のセット設計が他のカメラマンとの差別化になる
  • ターゲットのビジネスへの理解が深いほど、提案の質と単価が上がる

② ウェディング撮影|「作例ゼロ」から依頼を引き寄せた実績ジャンル

現在の売上の約20%を占める第2の柱が、ウェディング撮影です。

実はこのジャンル、梅澤さんにとって最初から得意だったわけではありません。
むしろ、「作例がない」という壁をあえて突破しに行ったジャンルです。

梅澤さん:

もともとウェディングとかカップルの写真を撮りたかったんですけど、作例がなかったから全然依頼が来なくて。一年間くらい、お宮参りと七五三だけで終わった時代はあったんですよ。

そこで梅澤さんが取った行動は、「先に自分で作例を作りに行く」こと。
友人・知人に協力してもらって人物撮影の作例を作り続け、Instagramに投稿し続けた結果——

梅澤さん:

ウェディング撮ったことないけど、一回ちょっとウェディング撮ってほしいって言われる機会がありまして。僕の今まで撮ってきた一人撮影とか女の子の撮影とかを見た上で、すごくいいと思ってくれたんでしょうね。それで依頼をくれました。またそのウェディングが、すごい準備したのでうまくいって、そこからまたウェディングが何件か来るようになった、みたいな感じでしたね。

一人撮影の作例 → ウェディング依頼 → 全力で準備して成功 → 次の依頼へと連鎖。
この経験が、梅澤さんのジャンル開拓の原体験となっています。

ポイント:やりたいジャンルの依頼が来ないなら、先に作例を作って発信することで流れを作れます。
ウェディングに限らず、どのジャンルにも応用できる突破口です。

③ フード・物撮り|人物ライティングの応用で「どのジャンルにも対応できる」ようになった

ウェディングと並行して、キャリアの中期にはフード撮影や物撮りも経験しました。

梅澤さん:

その間にやったものとしては、人じゃないものもやっていました。フードとか物撮りとかもありましたね。でも結局これが今の法人撮影とかにも活かされているので、結局メインは人物をやっていますけど、やっていて良かったなと。人物のライティングをちゃんと学ぶと、あとは大体のジャンルに応用が利くようになる、という法則があると思うんで。

梅澤さんが気づいたのは、「人物ライティングの基礎」を押さえれば他のジャンルにも応用が効くという法則です。

光の扱い方・構図の作り方・被写体の魅力を引き出す感性——人物撮影で磨いたスキルが、フードにも物撮りにも、法人向けの写真にも活きています。

ポイント:複数ジャンルを試してみることは無駄ではありません。
人物ライティングという「軸」を持ちながら横展開することで、対応力と収益の幅が広がります。


今でも忘れられない撮影エピソード①|コロナ禍のお宮参りとフォトコンテスト最優秀賞

梅澤さんがこれまでの撮影の中で最も思い入れがある——と語ったエピソードがあります。

2020年、コロナ禍の最中に行ったお宮参りの撮影です。
実はこれ、梅澤さん自身の兄の子ども——甥っ子のお宮参りでした。

梅澤さん:

プロになって4回目の撮影だったかなと思うんですよ。コロナってことはもうみんな外出ないというか、外出禁止令とかも出ていたし、なおかつ僕の兄は海外に住んでいたので、帰ってこれずみたいな状況で。でもお祝い事の写真はしたい、じゃあどうするみたいなところで、当時流行ってたテレビ電話を取り入れて撮影したっていう写真があるんですよ。

スマートフォンの画面越しに映る兄と、その場に集まった家族。
コロナ禍という時代の制約の中で、テレビ電話というツールを使って「一家全員が揃った瞬間」を一枚の写真に収めた。

この写真は後に展示にも使われ、関西電力フォトコンテストで最優秀賞を受賞しました。

梅澤さん:

写真って「残す」じゃなくて、やっぱり人間そのものに密接に関わっているんだなっていうのを、その撮影からすごく学んだっていうのがありますね。

プロになりたての頃に撮った1枚が、時代の空気を切り取り、賞を受賞した。
この経験が、梅澤さんの「写真とは何か」という哲学の原点になっています。

学べるポイント

  • 技術だけでなく「その場の状況に応じたアイデア」が写真の価値を生む
  • 制約の中でこそ、記憶に残る写真が生まれることがある
  • 写真は記録ではなく、人の人生に寄り添うものである

今でも忘れられない撮影エピソード②|桜の下の偶然の再会と、半月後のお別れ

もう一つ、梅澤さんが心に深く刻まれていると語ったエピソードがあります。
ウェディング撮影中に起きた、偶然の出来事です。

撮影の合間、事前のアポもなく、新郎新婦のおばあちゃんと桜の下で偶然出会いました。

梅澤さん:

桜の下でこんな再会ってないじゃないですか。せっかくだから家族みんなで撮りましょうって僕から提案して撮ったんです。

撮影の予定にはなかった、その場の流れで生まれた一枚。
梅澤さんが「せっかくだから」と声をかけなければ、存在しなかった写真です。

そしてその半月後、おばあちゃんが亡くなりました。

梅澤さん:

お客様の方からわざわざご連絡いただいて、あの時の写真使ったよって言ってくれたのがすごく心に残っていて。やっぱり写真ってなんか残すじゃなくて、人間そのものに密接に関わっているんだなっていうのを、その撮影からすごく学んだっていうのがありますね。

予定外の1枚が、家族の最後の記念になった。

カメラマンという仕事が持つ責任と、その仕事をできることへの感謝——この出来事は梅澤さんの仕事への姿勢を根本から変えたといいます。

学べるポイント

  • 撮影の「予定」にない場面でも声をかけられるカメラマンでいることの大切さ
  • 写真はその瞬間を記録するだけでなく、後から人の支えになり得る
  • 「撮って終わり」ではなく、写真がその人の人生に寄り添い続ける


撮影ジャンルの選び方|梅澤さんの変遷から学べること

梅澤さんの撮影ジャンルの歩みを見ると、「好きなジャンル」を選んだのではなく、「ターゲットと掛け合わせられるジャンル」を意図的に作ってきたことがわかります。

お宮参り・七五三から始まり、ウェディングへとジャンルを広げ、フード・物撮りを経て、経営者向けブランディングフォトという現在のポジションへ。

各段階で共通しているのは、「次のジャンルの作例を先に作る→発信する→依頼を引き寄せる」という能動的な行動です。

📌 ジャンル選びの3原則(梅澤さんの事例から)

  • ターゲットと相性の良いジャンルを選ぶ——「誰に撮るか」が決まれば、ジャンルが見えてくる
  • メインジャンルを1つ決めて専門性を作る——ブランディングフォトという軸があるから梅澤さんのポジションは強い
  • やりたいジャンルは「先に作例を作る」で突破する——依頼を待たず、自分で流れを作る

撮影ジャンルはいくつも手を広げるより、1つの軸を作ってから横展開する方が収益につながりやすいです。

💡 今すぐできるアクション
「自分が撮りたいジャンル」と「ターゲットが求めているもの」の両方を紙に書き出してみましょう。
2つが重なる部分が、あなたのメインジャンルの候補になります。

📎 梅澤さんがジャンルの壁をどう突破したかの詳細はキャリア編で →


まとめ|「経営者×ブランディングフォト」という軸がすべてをつなぐ

梅澤さんの撮影ジャンルは、お宮参りからブランディングフォトまで多岐にわたりますが、すべてに「経営者の価値を写真で高める」という一貫した軸があります。

この記事の重要ポイントを振り返ります。

  • メインは経営者向けブランディングプロフィール撮影(売上の約70%)
  • ウェディングは「作例ゼロ」から能動的に作り上げた第2の柱
  • フード・物撮りの経験が人物撮影の応用力を高めた
  • コロナ禍のテレビ電話を取り入れた撮影がフォトコンテスト最優秀賞を受賞
  • 桜の下の偶然の一枚が、ご家族の最後の記念になった

撮影ジャンルで迷っている方は、まず「自分が撮りたいもの」と「ターゲットが求めているもの」が重なる場所を探してみてください。
そしてそのジャンルの作例を、まず自分で作りに行くことが最初の一歩です。


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この記事を書いた人

株式会社マイルストーンムービー:代表取締役 鈴木賢一朗
〇企業向け動画制作&写真撮影
〇短期大学(テクノアカデミー会津)の講師
〇カメラマン育成講座(アニバーサリーフォトグラファー養成講座)主催

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