プロカメラマンが大切にしていること|南えりかさんが語る撮影コンセプト&初心者へのアドバイス

「プロのカメラマンって、撮影現場で何を一番大切にしているの?」

「カメラマンを目指したいけど、失敗が怖くて踏み出せない」

こうした疑問や不安を持っているあなたに向けて、この記事では奈良のカメラマン・南えりかさんが大切にしている撮影の流儀と、これまでのキャリアで経験した最大の失敗談、そして初心者へのリアルなアドバイスをインタビューをもとにお届けします。

この記事でわかること

  • 南さんが撮影現場で最も大切にしていること(技術より大事なこと)
  • 看護師の経験がカメラマンとしての武器になっている理由
  • 大阪万博から続いた「カメラが壊れた」最大の失敗と、そこから学んだこと
  • カメラマンを目指す初心者に向けた、南さんからの率直なアドバイス
  • 過去の自分に伝えたいこと、そして今後目指すカメラマン像

南さんは現在、週2日の稼働で月10〜20万円の安定収益を実現する奈良のカメラマンです。

技術を磨くことも大切。でも南さんが語る「本当に大事なこと」は、カメラの設定でも構図でもありませんでした。「お客様が安心してシャッターを向けられる状態を作ること」——それが、南さんの撮影哲学の核心です。

この記事の結論(先にお伝えします)

  • 撮影で最も大切にしているのは「その人らしさを引き出す雰囲気作り」。技術より先に場を作る。
  • 看護師の傾聴力・寄り添い力が、撮影現場での「武器」として機能している。
  • 最大の失敗は、大阪万博後の過熱でカメラが壊れ、次の撮影本番直前に動かなくなったこと。
  • 初心者へのアドバイスは「悩んでる暇があったら撮影に行け」。動いた人だけがチャンスをつかめる。
  • 過去の自分には「もっと自分の価値を信じてよかった」と伝えたい。

撮影で一番大切にしていること|「ただ綺麗に撮る」より大事なことがある

撮影で大切にしていることを聞いたとき、南さんは「技術」ではなく「状態」のことを話してくれました。

「撮影って、ただ綺麗に撮るということもすごく大事だと思うんですけど、その人らしさが出るというのは、経営者の方にとっては本当に大事なことかなって思っていて。同時に、安心して撮影に挑んでもらうということもすごく大事かなって思っています」

南えりか

「その人らしさ」と「安心感」——この2つが、南さんの撮影現場を貫くテーマです。

緊張は写真に出る。だから「場作り」が最優先

大人はカメラを向けられると、無意識に体が固まります。

「撮影ってすごく緊張するものですし、大人って本当にカメラを向けた瞬間に緊張するというか。ちょっとでも緊張してしまうと、それが写真に乗ってくるなというのを実感しているので、なるべくそうならないような雰囲気作りを心がけています。声かけだったり、空気感の作り方は、すごく気をつけています」

南えりか

声のトーン、最初の話題の選び方、笑いを生むタイミング、場所の雰囲気——こうした細部の積み重ねが、お客様の表情を自然にほぐしていきます。

「撮影は、シャッターを切る前から始まっている」——それが南さんの流儀です。

ポイント:写真の仕上がりは、カメラの設定や構図だけで決まるわけではありません。「お客様がリラックスしているかどうか」が、表情・姿勢・目の輝きに直結します。場作りに時間をかけることが、結果として最も写真のクオリティを上げる投資になります。

看護師経験が「武器」になる|傾聴力と寄り添い力という差別化

南さんが雰囲気作りを得意とする背景には、前職の看護師経験があります。

「私の武器として、看護師だからこそ聞ける寄り添う力だったり、傾聴力だったりというのは、本当にお客様から定評をいただいています」

南えりか

患者さんの不安に寄り添い、話を引き出し、信頼関係を築いていく——看護師として培ったその力が、撮影現場でそのまま活きています。

「この人なら安心して話せる」と感じてもらえるカメラマンになること。それは技術の習熟だけでは生まれません。南さんの場合、看護師という前職が、カメラマンとしての最大の差別化ポイントになっています。

ポイント:「カメラ以外の経験」は、カメラマンとしての弱点ではありません。むしろ「自分にしかできない撮影体験」を生み出す武器になります。接客・医療・教育・子育て——どんな経験も、撮影現場での関わり方に直結しています。自分の前職や得意なことを「掛け算」することが、選ばれるカメラマンへの近道です。

最大の失敗談|大阪万博の熱でカメラが壊れ、本番直前に動かなくなった日

「これまでで一番の失敗を教えてください」——その問いに、南さんは少し苦笑いしながら話してくれました。

夏の万博撮影で、カメラに無理をさせてしまった

「大阪万博での撮影の時、その夏一番暑い日の撮影で、カメラを1台しか持っていなかったんですけど、暑さ対策もしていたつもりで1日稼働して。3,000枚以上撮っていたんで、本当にカメラに無理をさせてしまったなと反省しています」

南えりか

猛暑の屋外で1台のカメラを使い続け、3,000枚以上撮影した大阪万博の着物ショー。その後、カメラ自体は「特に問題なく使えていた」ように見えていました。

次の撮影本番の半日前、カメラが動かなかった

しかし問題は、次の現場で起きました。

「次に鈴木先生に呼んでいただいた福島での撮影にカメラを持って行ったら、本当に始まる半日前ぐらいにカメラが動かなかったというのは、本当に大失敗だなと思って。前日は動いていたのに、その時になって動かなくなって。事前のチェックがすごく大事だなと思ったし、その時先生がいてくれて本当に助かりました」

南えりか

前日まで動いていたのに、撮影の半日前に突然沈黙したカメラ。

その場に鈴木先生がいて、機材を貸してもらえたことで撮影は乗り越えられましたが、もし1人だったらと思うと背筋が凍るような体験です。

この失敗から学んだ3つのこと

南さんはこの失敗から、具体的な行動を変えました。

📋 失敗から生まれた3つの教訓

撮影前日・当日の機材チェックを必ず行う
 「前日動いていた」は安心の根拠にならない。本番前に必ず動作確認をする。

カメラは2台体制が基本
 1台が不具合を起こしても撮影を続けられるよう、予備機を持つことが鉄則。

夏の屋外撮影はカメラの熱対策を意識する
 猛暑の屋外で長時間・大量に撮影すると、カメラ本体が過熱する。インターバルを設けるか、スタジオ撮影に切り替えることを検討する。

この失敗をきっかけに、南さんは機材の2台体制に向けて動き出しました。10〜11月の繁忙期前に収益が積み上がるサイクルもあり、機材体制を整えるタイミングとしてもちょうど良い時期だったといいます。

ポイント:カメラマンにとって機材トラブルは、「いつか起きること」ではなく「必ず起きること」として備えるべき問題です。本番直前の機材チェックと、2台体制の準備は、プロとして最低限守るべき習慣です。失敗から学び、次に同じことを繰り返さない——それがプロとしての成長です。

📎 南さんが現在使用しているカメラ・機材の詳細はこちら →

カメラマン初心者へのアドバイス|「悩んでる暇があったら撮影に行け」

「これからカメラマンを目指したい初心者に、何かアドバイスをするとしたら?」

南さんの答えは、シンプルでした。

「とにかくたくさん撮るというのは大事かなと思っていて、悩んでる暇があるんだったら撮影に行け、って思います。時間がもったいないし、上手くなりたいしお金を稼ぎたいと思うんだったら、やっぱり動かないとチャンスは巡ってこないと思います。私も撮影しながら学んだことがすごくたくさんあったし、失敗から学ぶこともすごく多かったので、たくさん撮ってください。そしたらチャンスも引き寄せられてくると思います」

南えりか

「動いた人が勝てる世界」——南さんの言葉は、経験から来る確信に満ちていました。

「準備が整ったら動く」は永遠に来ない

カメラマンを目指す初心者が最も陥りやすいパターンが、「もう少し上手くなったら」「もう少し機材が揃ったら」という思考です。

でも南さん自身、妹から「下手くそ」と言われていた状態のまま人物撮影を始めました。モデルスカウトで声をかけ続け、失敗を重ねながら技術を体で覚えていった。

自信は「考えること」では生まれません。シャッターを切った回数の積み重ねが、自信をつくります。

「いいご縁には飛びついていい」という生き方

南さんはさらに、こう続けました。

「動いた人が勝てるんだろうなって思うので、いいチャンスだなと思ったご縁には飛びついていってもらったらいいのかなと思います」

南えりか

大阪万博のメインカメラマンの機会も、「すぐに行きます!」と即決したから手に入ったものでした。

迷っている時間は、チャンスを逃している時間でもある。南さんの言葉は、行動することの大切さをシンプルに教えてくれます。

ポイント:「準備が整ったら行動する」ではなく、「行動しながら準備を整えていく」のがカメラマンとして成長する唯一の道です。失敗を恐れて動かないことが、最大のリスクになります。まず1件、まず1人——そこから始めましょう。

過去の自分へのアドバイス|「もっと自分の価値を信じてよかった」

「過去の自分に何かアドバイスするとしたら?」という問いに、南さんは少し間を置いてから答えました。

よくやったと思えること:直感を信じて動いた

「過去の自分を振り返ると、自分の直感を信じてよかったなって思っています。鈴木先生と出会ったことが本当に一番よかったことだと思っていて。先生と出会えなかったら、カメラマンの道には進んでいなかったと思うし、やってみようとも思わなかったと思うんです。悩んでいた自分がいろんなところに動いて、いろんなことをチャレンジしてみて、その結果として先生に出会えて今があると思っています」

南えりか

「動き続けたから、出会えた」——これは南さんのストーリー全体を貫くテーマです。迷いながらも動き続けた過去の自分を、南さんは「よくやった」と振り返ります。

アドバイスするなら:もっと自分の価値を信じてよかった

「アドバイスやったら、本当に自分の価値をもうちょっと信じてもよかったなって思います。始めた頃ってすごく不安だし、自信もないし。でも周りの人って、思ったよりちゃんと見てくれているし、ちゃんと私の価値もわかってくれているんだよって思いますね。だからもっと自信を持ったらいいし、価値を信じたらいいよって思います」

南えりか

不安になりすぎていた過去の自分。でも実は、周りはちゃんと見てくれていた。

この言葉は、今まさにカメラマンを目指して不安を感じている人に向けても語りかけています。

鈴木先生もこう話します。

「自分の可能性を信じてくれる人が周りに増えれば増えるほど、自分の自信もついていくと思うんです。そういう人たちにどれだけ囲まれるかというのは、すごく大きいと思います」

鈴木賢一朗(カメラマン育成講座 主宰)

ポイント:自信がない状態でスタートするのは、南さんも同じでした。自信は「先にあるもの」ではなく、「動いた後についてくるもの」です。そして、自分の可能性を信じてくれる人の近くにいることが、自信を育てる最も効果的な環境です。

今後の目標|「私と出会えたから上がっていける」と思ってもらえる存在に

南さんが今後目指しているのは、単に「うまいカメラマン」でも、「稼げるカメラマン」でもありません。

「ただ撮るだけじゃなくて、私だから撮ってほしいというカメラマンになりたいというのはもちろんですけど、私が撮影した人と人のご縁をどんどん繋いでいける人になりたいなと思っていて。私と出会えたから自分も上がっていけるという風に思ってもらえる人になれたらいいなと思っています。だからこそ自分もどんどん成長して、高みを目指していきたいなって思います」

南えりか

「私と出会えたから上がっていける」——そう思ってもらえるカメラマンになること。これは、撮影技術の話ではなく、「人としてどうあるか」の話です。

そして南さんは、AI時代のカメラマンとして重要な視点もすでに体現しています。

「カメラマンって今後、その方の応援団になるというか、その方のパートナー的な関わり方ができる人が、どんどん生き残っていくんじゃないかと思います。ただ撮るだけだと、ちょっとAIに置き換わられてしまうので」

鈴木賢一朗(カメラマン育成講座 主宰)

写真を生成・加工できるAIがいくら発展しても、「南さんと話して、南さんに撮ってもらった」という体験はAIには代替できません。

南さんが体現しているのは、まさにその「人にしかできないカメラマン像」です。

ポイント:AI時代に生き残るカメラマンになるには、「撮影後もお客様のパートナーであり続けること」が鍵です。技術はAIに近づかれても、「その人と一緒にいることで生まれる価値」は人にしか作れません。今から「撮って終わり」にしない関わり方を意識することが、10年後の自分を守ります。

南さんのマインドから学ぶ3つの心がけ

今回のインタビューを通じて見えてきた、南さんのマインドのエッセンスを3つにまとめます。

心がけ①:撮影の前に「場」を作る

シャッターを切る前に、お客様がリラックスできる空気を作ること。声かけ・話題選び・場所の雰囲気——これらすべてが撮影の一部です。

💡 今すぐできるアクション
次の撮影前に「どんな話題で場を和ませるか」を1つ考えておく。
撮影開始の最初の5分間は、カメラを下げて会話することを意識する。

心がけ②:失敗から逃げず、仕組みを変える

カメラが壊れた失敗を、南さんは「2台体制にする」という具体的な行動変化に変えました。失敗を嘆いて終わらせず、次の現場では同じことが起きないよう仕組みを整えることが、プロとしての成長です。

💡 今すぐできるアクション
直近で「うまくいかなかった撮影」を1つ思い出す。
「次回、同じことが起きないためにできること」を1行だけ書き出す。

心がけ③:迷ったら「動く」を選ぶ

「悩んでいる暇があったら撮影に行け」——南さんの言葉はそのまま、行動へのサインです。完璧な準備が整うことはありません。動いた先にだけ、成長とチャンスが待っています。

💡 今すぐできるアクション
「ずっと気になっているのに動いていないこと」を1つ書き出す。
今日中にその1歩目だけを実行する(声をかける・調べる・申し込む)。


📣 南さんのような撮影スタイルを「仕組み」として学びたい方へ

南さんが体現している「場作り・傾聴力・関わり続ける姿勢」は、撮影技術と同じくらい大切なスキルです。でも独学で身につけようとすると、何をどう磨けばいいかがわかりにくい部分でもあります。

「技術だけでなく、撮影現場での関わり方やマインドまで一緒に学びたい」という方は、ぜひカメラマン育成講座についても一度ご確認ください。

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まとめ|「ただ撮るカメラマン」から「その人を上げるカメラマン」へ

今回は、南えりかさんが大切にしている撮影の流儀・最大の失敗談・初心者へのアドバイス・過去の自分へのメッセージ・今後の目標をご紹介しました。

この記事のまとめ

  • 撮影で最も大切にしているのは「その人らしさを引き出す雰囲気作り」。緊張は写真にそのまま出る
  • 看護師の傾聴力・寄り添い力が、撮影現場での最大の武器になっている
  • 最大の失敗は「大阪万博の過熱でカメラが壊れ、次の本番直前に動かなくなった」こと。事前チェックと2台体制の重要性を学んだ
  • 初心者へのアドバイスは「悩んでる暇があったら撮影に行け」。動いた人だけがチャンスをつかめる
  • 過去の自分には「もっと自分の価値を信じてよかった」と伝えたい
  • 目指すのは「私と出会えたから上がっていける」と思ってもらえるカメラマン像

南さんの言葉を借りるなら——

「動いた人が勝てるんだろうなって思うので、いいチャンスだなと思ったご縁には飛びついていってもらったらいいのかなと思います」

南えりか

この言葉が、あなたの背中を押すヒントになれば嬉しいです。

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この記事を書いた人

株式会社マイルストーンムービー:代表取締役 鈴木賢一朗
〇企業向け動画制作&写真撮影
〇短期大学(テクノアカデミー会津)の講師
〇カメラマン育成講座(アニバーサリーフォトグラファー養成講座)主催

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